Move Fastにユーザーに価値を提供する。VP of Productと新CTOが語る、これからのBASEのプロダクト作り

社長室の米田です。

2019年7月にBASEのCTOが藤川さん(通称えふしんさん)から以前までテックリードだった川口さんに交代しました。またこれまでプロダクトマネージャーだった神宮司さんがVP of Productに就任し、これからのプロダクト作りの1つターニングポイントを迎えました。

今回は、新しくCTOに就任した川口さんと、VP of Product / Product Design Divisionのマネージャーに就任した神宮司さんに、これからのBASEのプロダクト作りについてお話を聞きました。


【Profile】
神宮司 誠仁(じんぐうじ まさひと)
執行役員VP of Product / Product Design Division マネージャー

1992年生まれ、東京都出身。10代で「おつかい」をするWebサービスを運営開始。2013年12月にBASE株式会社に入社。ショッピングアプリ「BASE」のPMとして「BASEライブ」をはじめとする販促機能開発やコンテンツ企画に従事、2018年4月よりネットショップ作成サービスを含める「BASE」全体のPMを経て、同年6月に同社執行役員に就任。2019年7月よりVP of Productとしてプロダクトのさらなる成長や文化形成をリードしている。

川口 将貴 (かわぐち まさき)
Product Dev Division 執行役員CTO

1991年生まれ、東京都出身。大学卒業後、2013年ソーシャルゲーム開発会社に入社。サーバーサイドエンジニアとしてアバターゲームの開発に従事。その後同社の女性向けネイティブゲームの開発運用に異動しCocos2d-xを利用した開発を経験。2017年5月にBASE株式会社に入社。ショッピングアプリ「BASE」のバックエンド開発を担当し、2017年9月にライブコマース機能「BASEライブ」を開発。BASE Product Divisionのテックリードを経て、2019年7月にCTOに就任。


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今回の人事で役職が変わりましたが、現在の役割や取り組んでいることについて教えてください。

神宮司:2019年の7月からProduct Design Divisionが新設され、そのDivisionマネージャーに就任しました。またこれまではプロダクトマネージャーという肩書でしたが、同じタイミングでVP of Productになりました。

役割としては、最適にプロダクトを作る体制や文化を作ることだと認識しています。あとDivisionの責任者なのでクォーターが始まるタイミングでは、プロジェクトの策定やOKRの設定を行っています。

これまでProduct Divisionの中にエンジニア、デザイナー、Product Managementのメンバーが所属していましたが、今回の組織変更でProduct Dev DivisionとProduct Design Divisionに分け、前者にエンジニア、後者にデザイナーとProduct Managementのメンバーが所属するようになりましたね。これはどのような背景があるのでしょうか?

神宮司:デザイナーとProduct Managementのメンバーはプロジェクトの企画段階からコミュニケーションを取ることが多く、一緒のチームとして独立したほうがよりコミュニケーションがしやすいかと思って、1つのDivisionとしました。

プロダクトマネージャーからVP of Productになって、変わったことはありますか?

神宮司:1、2年くらい前までは自分ひとりでプロダクトマネジメントをしていたのですが、最近はメンバーが増えてきて徐々に組織になってきました。プロダクトを企画して、具体化していく役割の人が増えてきたので、組織を引っ張ってプロダクトの方向性を明確に示す役割が必要なフェーズかなと思っています。今はプロダクトを通じたユーザー体験の最終責任に加えて、プロダクト作りにおける文化や基準作りがVP of Productのやるべきことかなと思っています。

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それでは、川口さんもお願いします。

川口:CTOということで、技術の責任者として意思決定を行っています。

とはいえまだCTOに就任したばかりなので、メンバーとの1on1を実施してどういうことをやっていくべきかを考えています。

それから自分はCTOではありますが、言語やフレームワークのアップデートや今後を見据えた技術選定などを行う基盤チームのメンバーでもあります。BASEのWebアプリケーションエンジニアは基本的に何かのプロジェクトに参画し機能開発や改善を行いますが、基盤チームのエンジニアは何かのプロジェクトに属して機能を作るということはあまり多くなく、フロントエンド、バックエンドおよびインフラの改善、CI/CDの整備や仕組み作り、負荷対策など中長期的な技術基盤の改善を担っています。

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外部のインタビューで答えていらっしゃいましたが、CTOの交代については思いがけない打診だったことや当初は辞退するつもりだったそうですね。CTOの役割が再定義され、これまでのえふしんさんの役割を他のマネージャーと分担をすることで、引き受ける決意をされたとのことですが、心境としてはどういったものだったんでしょうか?

川口:藤川さんはBASEの経営陣としての役割も担っているのですが、経営と現場ではやはり距離があるなと感じる部分もあって。この先さらにスピード感を持って開発を進めていかなければならない中で、今後もこの体制でよいのかと個人的に課題には感じてはいました。そういう点ではこれまでテックリードとして開発現場に携わってきたので、コードを書き続けることでCTOとして開発により貢献できそうだなと感じました。

それから、BASEはいま50名近くのエンジニアが在籍していますが、これくらいの規模の組織で自分から「CTOになりたい」と言ってもなれるものではないと思いますし、せっかくCTOをやれる機会をいただいたので、それならやってみようと。

それでは、今後どういうプロダクトや組織にしていきたいか、どういう開発をしていきたいかを教えてください。まずは神宮司さんからお願いします。

神宮司:基本的に「BASE」は、ユーザーに対して還元できるものがプロダクトを通しての体験しかないと思っているので、テクノロジーに投資し続けられる組織でありたいなと思っています。それから「BASE」を利用してくださっているショップ数が増えてきて、徐々に挑戦することが怖くなってくる規模だと思っているので、挑戦し続けられる組織でいられるような文化を作っていきたいですね。プロダクトの作り方については特にBASEの行動指針にあるMove Fastを徹底してきたいです。

僕はプロダクトを作る上で、施策や企画を考えているだけではユーザーに何も価値を提供できていないと思っています。リリースしないと何も意味がないな、と。それをもっと徹底できるように、プロダクトを作る上で「Move Fastにリリースすることが正である」という認識を改めて浸透させていきたいです。どんどんリリースして、ユーザーからのフィードバックをもらえるようにしたいですね。

インターネットは変化が早いので、1日のリリースの遅れが命取りになると思っていて。考えても答えが出ない場合はリリースして定性、定量的なフィードバックを得たほうがいいなと思っています。

BASEもメンバーが増えて組織が大きくなって、スピード感をもってリリースすることが難しくなってきたとは思いますが、そこはユーザーへの価値提供を最優先にしてMove Fastにリリースしていこうと。

改めてMove Fastを浸透させていくフェーズ、なのですね。

神宮司:例えば「BASE」のショップに置き換えて考えると、お客さんが欲しがっているものをそのまま作ったからといって、商品を買ってくれないこともあるわけで。僕たちも同じで、ユーザーがほしいと言っているものをそのまま作ることでユーザーに喜んでもらえるとは限らないと思うんです。

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神宮司:例えば仮説検証の手法として、アンケートを実施してその通りにプロダクトを作ればいいのであれば、大手企業が作ったプロダクトが必ず正しいとなりますよね。ユーザー数も、アンケートにかけられるコストも時間も大手のほうが多いですし。

でもインターネットって小さいチームが急速に大きくなって世の中にインパクトを与えるということを実現できるもので、だから僕たちは自分たちの嗅覚や、実現したい未来を信じてプロダクトを作っていくしかないですよね。自分たちのプロダクトのことは自分たちが一番知っているはずだと、自信を持ってプロダクトを作っていかないといけないと思っています。

では川口さんにお聞きしたいのですが、今後どういう開発をしていきたいと考えていますか?

川口:神宮司が話していたことと同じですが、Move Fastな開発を極めていきたいです。

ただ、早く作るために雑に作るのは理想的ではないと思っています。高い技術を持って早く作ることを理想としないといけないと思っています。多くの時間を割いて理想的なコードを生み出すことと、素早くプロダクトの機能を作っていくこと、そのどちらかを成立させるのは、メンバーも増えた今のBASEでは容易になってきていると思うんです。ただ僕らはこれから、そのどちらも成立させる組織にしないといけないと思っています。

神宮司:誰もが知っているようなプロダクトを作っている会社の動向を見ていると、企業規模が大きいにも関わらずリリース、改善のスピードが異様に早いですよね。

様々なインターネットの会社を見た結果、企業文化が一番大事なのかなと思ってます。企業文化として、Move Fastを正とすることが大事というか。そこの文化作りは自分の役割だと思っています。Move Fastといっても基準が人によって違うので、そこは自分と川口さんが基準になるように振る舞おうと。

川口:「BASE」というプロダクトが成長する中で機能が増えていって、1つの機能に対する影響度が大きくなったことで開発が遅くなってしまうのは分かるんですけど、ユーザーに価値を早く届けるという観点では遅くなっていいわけではないんですよ。

なので早く作ることができる仕組みを作らないといけないですね。

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そこをいまは基盤チームが担っていると。

川口:基盤チームが担ってはいるんですが、その仕組みを他のチームのメンバーにも使ってもらわないと意味がないので。基盤チームがやっていることを他のエンジニアにも知ってもらうような啓蒙活動が必要というか、そこがこれからの基盤チームの課題かなと。

仕組みを作って、その仕組みをみんなが当たり前のように使ってもらう段階までもっていくことが基盤チームの役割だと思っています。結局、僕たちが作らないといけないのはプロダクトなので、ユーザーへの価値に直結するプロダクト開発に最大限リソースを割くようにすべきだと感じています。

神宮司:ネットショップ作成サービス「BASE」のショップ開設数は70万ショップですが、「BASE」を通じて価値の交換を実現をしている人はほんとにたくさんいらっしゃるんです。こんなに多くの方々に影響を与えているプロダクトってなかなかないと思うんですよ。だから自分たちが書いたコード、作ったデザインがこんなに多くの人たちに使われているんだというポジティブな発信はもっと増やしていこうと思います。

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