次の事業フェーズで取り組むべき技術課題は?「フルサイクル」「越境」で急成長を実現するBASE BANKで大切にするカルチャー

BASE BANKの米田です。

今回は金融サービスを提供するBASE BANKチームのエンジニアのインタビューをお届けします。

BASE BANKでは、ショップオーナーが即座に資金調達ができる「YELL BANK」、ネットショップの売上金を支払いに使える「BASEカード」、最短翌営業日に売上金が振り込まれる「お急ぎ振込」を振込申請の3つのサービスを提供しています。

既存サービスの急成長を実現するとともに、水面下で新規サービスの開発も進めているBASE BANK。そんなショップオーナー向けの付加価値を新たに作っていくチームで大切にしていること、そして事業と組織の現在地を話してもらいました。

【Profile】
松雪 俊(まつゆき たかし) / New Division BASE BANK Division 開発責任者
新卒で入社したヤフー株式会社にてYahoo!ショッピングの開発に従事。その後、Fintechのスタートアップに入社し法人向けのVISAプリペイドカードを発行するSaaSの開発・運用を経て、2020年9月に入社。Engineering Program Managerとして「BASEカード」の開発、運用やチームマネジメントを主導し、現在は BASE BANKの開発責任者として新規プロダクト立ち上げやエンジニアリング組織づくりを行っている。

吉田 裕一(よしだ ゆういち)/ New Division BASE BANK Division エンジニアリングマネジャー
新卒で株式会社VOYAGE GROUP(現株式会社CARTA HOLDINGS)に入社。toC向けサービスの開発を経て、2021年7月に入社。2023年より「BASEカード」および振込申請機能を担当する出金領域のエンジニアリングマネジャーを務める。

田名網 勇希(たなあみ ゆうき)/ New Division BASE BANK Division Engineering Program Manager
2023年4月に入社。「YELL BANK」の開発とプロダクト開発プロセスの改善業務を経て、2024年よりEngineering Program Managerを務める。前職ではHR系の会社にて開発チームのリードとスクラムマスターを兼務。

根本 祐馬(ねもと ゆうま)/ New Division BASE BANK Division Engineering Program Manager
2022年7月に入社。「BASEカード」の開発・運用を経て、Engineering Program Managerの役割を務める。前職はCRMプロダクトの開発に従事。

フルサイクル開発とEngineering Program Manager

まずは、チームにおけるみなさんの役割を教えてください。

松雪:BASE BANKのエンジニアリング組織全体の責任者を務めています。BASE BANKのエンジニアが開発・運用をよりスムーズに行うための取り組みを考えて、実行しています。

吉田:BASE BANKは大きく「与信」と「出金」のドメインで組織を分けていますが、私は後者の出金領域の開発組織を見ており、ピープルマネジメントや採用を行なっています。出金領域では、振込申請と「BASEカード」の開発を行っています。最近ではその他にも、与信領域のプロダクトである「YELL BANK」の設計相談などBASE BANK全体のアーキテクト的な役割も担っています。

田名網:「YELL BANK」のEngineering Program Manager(以下、EPM)として、開発プロジェクトのリードや開発プロセスの改善に取り組んでおり、実際の開発も担当しています。

根本:「BASEカード」のEngineering Program Managerを担っています。EPMの役割として、プロジェクトにおける社外とのやりとりも行っています。

※参考…「プロダクトのデリバリー、クオリティに責任を持つEngineering Program Managerという役割

それでは、早速質問に入ります。BASE BANKの開発チームはどんな組織ですか?

松雪:フルサイクル開発にこだわっているところが一番大きいと思います。

BASE BANKは職能別ではなく、いわゆるドメイン別の組織でプロダクトごとにチームを分けており、担当プロダクトの企画から開発、運用まで一貫して1つのチームで完結する形をとっています。その中で、実装からリリース、運用までフルサイクルでの開発を行っています。

開発責任者 松雪

松雪:ドメイン別組織の中でフルサイクルエンジニアとして、プロダクトマネージャーやデザイナーに言われた機能やUIを作るのではなく、よりよいアウトプットを出すために”Why”と”What”をきちんと考えるように意識しています。

その他にも、開発するのはサーバサイドだけ、フロントエンドだけ、といったように領域に閉じるのではなく、それぞれの得意領域を活かしながらもフロントエンド、サーバサイド、インフラの垣根なく開発に携われるようにしています。

ドメイン別組織でフルサイクル、そして職能横断での開発を行っているのがポイントなのですね。各ドメイン別組織のエンジニアどうしはどのように関わり合っていますか?

松雪:BASE BANK内のエンジニアが集まってざっくばらんにそれぞれの課題感を共有したり、それに対して自チームの知見を共有する会を定期的に開催しています。

田名網:輪読会もやっていて、最近だと『フロントエンド開発のためのテスト入門』や『Design it!』の読み合いをしましたね。

インフラ周りやQAも自分たちで

BASE BANKの開発組織は、ネットショップ作成サービス「BASE」の開発組織から独立していますが、両者にどのような違いがありますか?

松雪:「BASE」を担当する組織はBASE BANKと比較すると規模が大きく、職能別の組織で運営されているので、その点で違いますね。BASEグループにはSREやQA、技術基盤担当のチームがありますが、その中でBASE BANK専属メンバーやチームはないので、プロダクト開発を行うエンジニアがこういった領域も一定担当しています。それから、BASE BANKは社内では新規事業・新規プロダクトの位置付けなので、質は担保しながらもより早くプロダクトを作ることに重きを置いています。

組織はそれぞれ独立しつつも、対象ユーザーは同じという点が興味深いと思っているのですが、「BASE」というプラットフォームがあるからこそ感じられる開発のポイントや面白さは何でしょうか?

根本:BASE BANKのプロダクトはショップオーナーが使う管理画面に組み込まれていることも多く、「BASE」のプラットフォーム上の資産を使うことで素早い価値提供につながっていると思います。

吉田:新規プロダクト開発ではあるものの、対象ユーザーの解像度がある程度高い状態から事業を作れるというメリットもありますね。そして既存ユーザーに作ったプロダクトをすぐに使ってもらってフィードバックを受け取ることができるのでPDCAを早く回しやすく、そこは「BASE」というプラットフォームがあるからこそだと思います。

個人やスモールチーム向けのFinTechサービスという新しさ

それでは、みなさんが思うBASE BANKでの開発の面白さややりがい、難しさを教えてください。

松雪:”お金”が関わるというミッションクリティカルでショップオーナーにとって欠かせない機能をECプラットフォーム上でこれだけ充実させているプロダクトは他になかなかないと思っていますし、その領域でスピーディにプロダクトを作って、改善していけるのは面白いですね。

エンジニアリングマネジャー 吉田

吉田:「YELL BANK」や「BASEカード」はBASE BANKチームができてからリリースしたプロダクトですが、振込申請は「BASE」の初期から存在する歴史が長いプロダクトなのでコードが積み重なっています。なので、リアーキテクチャなど技術的な課題にチャレンジできる点は面白いんじゃないかと思います。

田名網:「YELL BANK」はプロダクト上で将来債権の買取を行うという比較的新しいビジネスなので、必然的に私たちも当初は想定していなかった新しい体験をユーザーに提供する機会が多いです。

加えて「YELL BANK」のシステムは「BASE」から独立しているということもあり、新しい体験を提供する際にはこの責務はどちらで持つべきなのか、「YELL BANK」としての自分と「BASE」としての自分の2つの視点を切り替えながら考えるようにしています。ここが「YELL BANK」の難しさでもあり、面白いところですね。

あと「YELL BANK」は、BASEの中では 使用する技術が一番多いチームかもしれないです。バックエンド、フロントエンド、インフラはもちろん、機械学習を扱っているということもありバックエンドで使用する言語は複数あります。エンジニアとしていろいろな技術に触れられるのは純粋に楽しいですね。

根本:カード決済はユーザー側はかんたんに使えますが、システム内部は複雑になっていて、外部のパートナー企業とのコミュニケーション、システム連携・調整が必要なので、そこが開発する上で興味深いところでもあります。今後の拡張性を追求する場合に、どこまで内製すべきかの検討も必要だと考えています。

Engineering Program Manager 根本

根本:ビジネス観点では、ECプラットフォームで売上金で支払いができるカードを提供している会社はあまりなく、独自性がある点で興味深いです。他のチームと共通しますが、「BASEカード」はエンジニアも企画から一緒に考えつつ、設計などもやっていこうというチーム文化なので、フルサイクルで開発に取り組めている実感があります。

田名網:「YELL BANK」チームでも少し前に、プロジェクトの背景や目的をより理解した上で開発に取り組めるようデザインスプリントにエンジニアも参加しました。デザインスプリントを一緒にやることでプロジェクトのスタートから解像度の高い状態で開発を始められるのは大きなメリットで、以前よりもプロダクトマネージャー、デザイナーと質の高い議論ができているなというのを実感しています。

次なる事業成長に向けて技術課題解決にも向き合う

みなさんの前向きな意識がすごく伝わってきました。現状の開発における課題やもっと改善していきたいところはどこですか?

松雪:一番は、事業拡大のためにチームをスケールさせていくことです。今あるプロダクトを通じて提供できる価値を拡大しつつ、今後は「BASE」以外へのプロダクト提供も視野に入れていますし、新規プロダクトも検討しているので、まだまだやっていくことがたくさんあります!

それらを実現するために、採用はもちろん、権限や役割の移譲などもより積極的に進めており、もともと自分や吉田さんなどが担っていたEPMという役割も今は新しいメンバーに移譲しチャレンジしてもらっています。

また、BASE BANKのプロダクトはショップの売上残高周りに深く関わるので、システム的にも売上残高に関わる処理やアーキテクチャは「BASE」のシステムアーキテクチャに依存します。プロダクトが成長してきたことにより、これまでの設計やアーキテクチャではパフォーマンスや機能拡張性に課題が生まれてきているので、「BASE」側のメンバーも巻き込みながら抜本的な改善をしていかなければならないのが直近の大きな技術課題ですね。

吉田:振込申請に関して言えば、長年の継ぎ足し開発で複雑に機能が絡み合っているので、新規機能開発や改善にも余分に工数がかかる状況にあります。各機能のあるべき姿をゼロベースで考え、抜本的な改善を行っていきたいですね。

Engineering Program Manager 田名網

田名網:「YELL BANK」は使用技術が多いため、各ツールやライブラリのメンテナンスコストが高くなっている点が直近の課題です。チームに合った運用方法を模索しているところで、いろいろと試行錯誤していますね。

根本:数ヶ月単位の時間が必要な改善はなかなか手がつけられていないのでやっていきたいです。中長期でのビジネスへのインパクトを踏まえた上で、機能開発や施策と技術的な課題の解決の優先順位をチーム内で話して実行していきたいですね。

自らの領域を越え、プロダクト成長にインパクトを持ちたい人へ

それぞれのプロダクトでまだまだやっていくことがたくさんありそうですね。最後に、BASE BANKの開発チームにマッチする人はどんな人か、どんな人と一緒に働きたいかお聞きしたいです。

松雪:事業やプロダクトへのインパクトを出すぞ!という熱量が高い人がマッチすると思います。 BASE BANKのエンジニアリング組織のテーマの1つとして「越境」を掲げていますが、越境するにも熱量がないとできないですよね。いい意味で、巻き込みやすいし、巻き込まれやすい人が合っているのかなと。

吉田:いまやっている領域から一歩踏み出したい方がマッチしていると思います。例えば、プロジェクトのリードをする役割を担ってみたり、バックエンドをメインで書いていた人がフロントエンドもがっつり書いてみたり、ご自身の目指すキャリアや身につけたいスキルに合わせてチャレンジができる環境です。そういった意欲のある方に対して私もマネージャーとしてもサポートさせてもらいたいなと思っています。

田名網:吉田さんと同じくなのですが、自分の強みをどこか持ちつつ、他の領域もキャッチアップしていきたい方はマッチすると思います。あとは、 プロダクト作りが好きで事業成長に貢献したい人が合うと思います。先ほどの話のように、デザインスプリントなどエンジニアも企画の段階から入るので、その過程も楽しめる方はすごく合うと思います。事業成長という部分では、例えば時間をかけてリファクタリングをする必要があると考えた際に、エンジニア視点で事業にどれくらいのインパクトがあるかちゃんと説明できるべきだと思っていて、エンジニアリングと事業成長を繋げて考えられる方と一緒に働きたいですね。

根本:社内外含めてそれぞれの専門の方々と課題解決をしたい人がマッチしていると思います。それから、事業成長のために優先順位を考えて開発に取り組めることも重要だと考えています。人数や時間も限られる中で最大限インパクトを出すにはどうすべきかを考え抜ける方と一緒に働きたいです。


お読みいただきありがとうございました。

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