大手カード会社からBASEへ。新上級執行役員に聞く、BASEグループが挑む決済・金融事業のこれから

採用の成原です。

今回は2023年3月24日付で上級執行役員に就任し、BASEグループ内の決済・金融を中心とした戦略事業を包括するNew Departmentの統括をされている髙橋さんに、過去のご経歴や、BASEに転職した理由、現在のBASEでの役割等をインタビューしました。


【Profile】
髙橋 直(たかはし なお)
上級執行役員 / New Department Manager 兼 経営戦略室
1983年生まれ。東京都出身。 青山学院大学卒業後、三井住友カードへ入社し、戦略提携や事業開発業務に従事。 国内外IT企業との資本業務提携や電子マネー事業・決済プラットフォーム事業等の 立ち上げに参画。 2022年4月1日にBASE株式会社に入社。 BASEグループの決済・金融を中心とした戦略事業を担当し、ショッピングサービス 「Pay ID」、オンライン決済サービス「PAY.JP」、金融事業の管掌と併せ、経営戦略室を兼任しグループ全体の戦略立案・実行に従事。

自己紹介と入社ストーリー

まずは、自己紹介も兼ねてこれまでのご経歴を教えてください。

経歴としては、2005年に三井住友カード株式会社に入社し、営業を経て主に事業開発や戦略提携業務に従事していました。今では広く世の中で利用されるようになりましたが、黎明期の電子マネー事業の立ち上げやショップ向け決済インフラの事業開発を経験したり、日本や北米・アジアのフィンテック企業との業務提携など、新しいことに挑戦していく仕事に比較的長く携わってきました。

また、新卒から1つの会社に勤めていましたが、私が出資を担当していた国内IT企業へそのままハンズオンで2年くらい出向させてもらったり、ホールディングスカンパニー(株式会社三井住友フィナンシャルグループ)に籍をおき、グループベースの戦略を企画するなど、何回かグループ内転職を経験したようなキャリアでもありますね。振り返ると、15年以上も決済・金融事業に身を置いていました。前職やパートナー企業の皆様のおかげで、本当にいろんなことを経験させていただき今の自分があることを実感します。

BASEに入社をされたのは2022年4月でしたね。

はい、BASEに入社したのち、現在はNew Department(以下、New Dept)という組織の統括をしています。
決済・金融を中心とした各新規事業をネットショップ作成サービス「BASE(ベイス)」のような一つの柱に育てるべく、チームのみんなと日々邁進している最中です。New DeptはBASE事業の半分以下の人数ですが、購入者向けショッピングサービス「Pay ID(ペイ アイディー)」、金融事業、オンライン決済サービス「PAY.JP(ペイドット ジェーピー)」の3つの事業とそこに複数プロダクトが紐づいている構造になっています。併せて、私自身はCEO直下の経営戦略室も兼任しており、グループ全体の戦略立案・実行を担当しています。

参考)BASEが決済、金融を通じて描くミッションについては以下をご参照ください: BASEグループが取り組むミッション「Payment to the People, Power to the People.」とは。-決済・金融の簡易化を通じて目指す世界-|BASEグループ公式note|note

大手企業からBASEへの転職

大企業からスタートアップへの転職は、ご自身でも想定していましたか。

正直、転職することも定年まで勤め上げることもいずれも明確な未来予想図がなかった、というのが本音です。あまり考える時間がなかったというか…。
当時も今も、前職のカルチャー / 人 / プロダクトが好きなのですが、社会人歴を積み重ねることによる仕事観や心境の変化はあったかもしれません。毎年、連休で行ったことの無い国に行くようにしているのですが、以前モロッコ旅行でサハラ砂漠に行ったときに、周りに物がほとんどない環境で自分と対話する時間が無限にあり、ぼんやりと「世の中への貢献だとか会社の成長をもっと身近に感じたいな」と思ったんですね。

前職の事業規模は、会員数5千万人、取扱高40兆円(※2021年度当時の実績)といったスケール感で、国家予算みたいな単位を扱う事業に携われるやりがいは多分にありました。ただ、あと何年働けるか分からない中で、どれだけ大きな仕事をするかより、自分にできることは世界からしたらとても小さいことだとしても、これまでの経験や感謝を踏まえて今の自分に何ができるかを考えました。
そのときにふと以前から接点のあった代表の鶴岡さんの顔が浮かんで食事のお誘いをしたんです。出会って何年も経ちましたが、創業者としてずっと変わらない「100億円の売り上げのある1社と組むのではなく、10万円の売り上げがある10万の人たちの味方でありたい」という彼のビジョンやプロダクトへの共感が色褪せてなかったんですよ。

入社後に新たに気づかれたことなどはありましたか。

当時考えていなくて転職後に良かったなと思ったことは、通常スタートアップが時間をかけて獲得していく「認知、顧客基盤、資金力」が、BASEには一定揃っていたことでした。
これに関しては、スタートアップに転職するからにはアーリーステージの企業を志向される方も多いと思うので人それぞれですが、私はユーザーへの価値提供や事業に集中したかったのでありがたかったポイントです。

BASE社は2022年12月で創業10年周年を迎えましたが、今でもスタートアップカルチャーは根底にあり、社員の4割がエンジニアというプロダクトの会社です。プロダクトを内製でガンガン開発し、ユーザーの声をすぐさま反映させていく肌触り感は大手企業には無い点ですね。結果論でしたが、スタートアップだけどミドルステージのアセットが揃っているBASEは私にとってはいいとこ取りの選択となりました。

確かに「Pay ID」は累計ID登録者が1,100万人を越えていますし、先ほど伺った髙橋さんの決済・金融でのご経験や事業作りのスキルを活かせそうです。

決済・金融・EC領域における事業開発や大型プロジェクトのリードという観点では、これまでの経験を活かせているかなと思っています。
たくさんの経験を経て、これまで大小問わず非常に多くの案件に恵まれてきましたので、BASEグループの事業においてもこれまでの経験値を活かして参画できていますね。
あとは、様々な案件に携わってきたおかげで、結果的に社内外のステークホルダーコミュニケーションも鍛えられてきたかもしれません。
プロジェクトが大きくなるにつれて自分一人でできることには限界があるので、チーム全体のアウトプットを最大化し、ユーザーの皆様への提供価値を最大化するためには、どの道を辿ることが最速かをいつも考えています。地図と一緒ですが、目的地と現在地を直線で結ぶ最短ルートなんて実は存在しなくて、案件や関係者が増えるほどに利害関係が複雑化し障害物が増えます。そんな中でも、本質を見失わずにユーザーへの価値提供を最大化するため、盤上の打ち手をどう進めるかを意識しています。

New Departmentでの髙橋さんの取り組み

具体的にNew Deptではユーザーにどういった価値を提供することになるでしょうか。

BASEグループの事業はショップ・購入者双方の強固な顧客基盤を持ちつつ、自社で決済と金融のサービスを展開しているのですが、New Deptは特にその中でも最適なお金の流れや購入体験を向上させる部分を担っています。
例えば2023年4月11日にリリースした「あと払い(Pay ID)」については、いわゆるBNPL(Buy Now, Pay Laterの略)というサービスなのですが、単なる購入者向け金融プロダクトではなく、「BASE」というECプラットフォームにおけるショップと購入者の繋がりを強くすることを付加価値にしており、事業間連携の強化による、ユーザーへの価値提供の最大化を目指しています。

決済、金融事業に関連するサービスについて 出典): https://note.com/base_group/n/n7d9c3daecae5

冒頭でも触れましたが、上級執行役員になられたことで事業との関わり方で変化はありそうですか?

実は基本的にあまり変わりがありません。引き続きNew Deptの統括として3事業のグロースに責任を持ちながら、次なる新規事業を考えていく役割です。前述した経営戦略室も兼任しているのでグループ横断のコミュニケーションも継続ですね。私はNew Deptの統括をする立場ですが、3事業にはそれぞれに事業責任者がいますので、基本的に事業運営は各チームを信頼し任せています。
入社してから半年くらいは、私自身のオンボーディングも兼ねて現場に入り込ませてもらいながら、メンバーのみんなと各事業やプロダクトの中長期戦略とそれに繋がる施策を考えていました。今はそれが具体的な施策として動き始めているタイミングです。

組織と自身の位置付け

BASE事業ではCOOの山村さんが事業の成長戦略を担っていますが、髙橋さんが「Pay ID」、「PAY.JP」等の複数のサービスを含む事業を統括している組織体制と比較すると、ミッションと役割に違いがありそうです。

前述した3つの決済・金融事業のグロースと新しい事業・プロダクトの創出が主なミッションとなります。
New Deptの今は”決済・金融事業の集合体”なのですが、投資フェーズである事業を成長させるためのインキュベーター的な役割も担っています。各事業が成長し「BASE」のように一本立ちができるレベルになってきたら、1つの組織として独立させることを考えています。そして、今の3事業のような成長事業を継続的に産み出し、事業創りのサイクルをうまく回していくこと、付随して事業責任者を増やしていくことで未来の経営幹部を育成していくことを目指しています。

メンバーにそれぞれの事業運営を任せているとのことですが、ご自身の役割はどのように位置付けていますか?

自分の仕事の時間軸と距離をもっと遠くに置きにいくこと、そして、遠くと近くを繋げる仕事を意識しています。
よくメンバーとも話すのですが、BASEの組織は本質的に上下関係や階層が前提ではなく「役割分担」がベースであると考えています。組織運営上、指揮命令系統や決裁ラインはありますが、私は新規事業のグロースに責任を持つマネージャーという「役割」を担当しています。プロダクト開発や日々の業務運営は私よりも得意なメンバーが担ってくれており、私はこれまでの経験・知識を活かして、より遠くの仕事を担う。そして、メンバーが安心して自由に暴れられる様に、環境整備をすることと何かあったときに責任を取るのが私の仕事ですね。
誰もがユーザーを一番においているので、目の前の仕事も未来の仕事もどちらも平等に尊いですし、相互リスペクトがあって成立している関係性だと思っています。

引き続き絶賛採用中ですが、New Deptにマッチしやすい人物像を教えてください。

新規事業系の組織なので、「仕事に対するオーナーシップを持ち、一緒にチーム作りを楽しめる方」は相性がいいと思います。 ちなみに、決済・金融のバックグラウンドはあれば武器になりますが、なくても全く問題はありません。なんならご入社後にこんな事業・プロダクトを作りたい!なども大歓迎です。

ここまで読んでいただいた方へ面接のヒントもちょこっとお願いします!

ミッションへの共感度が高く入社しているメンバーが多いので、ここは面接官も必ず聞いてくるポイントだと思います。無理に合わせる必要は無く、ミッションへのご自身の見解や素直な感想をお持ちいただくと、面接におけるコミュニケーションがスムーズになるかもしれません。あとはプロダクトの会社でインターネット大好きなメンバーが多いので、好きなWebサービスやプロダクトの話などは盛り上がりますね。


インタビューを通して髙橋さんの事業への思いや、展望を垣間見ることができました。
New Departmentにおいては、BNPLのリリースをはじめまだまだ展開がありますので、ご興味があれば、ぜひ求人もご覧ください!

◆Pay ID事業 herp.careers ◆金融事業 herp.careers ◆PAY.JP事業 herp.careers

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